富山県はおいしい日本酒の宝庫です。中でもひときわ目立つのが「先駆け的取り組み」。
女性杜氏の登場や酒造会社が手を組んで実現したブレンド日本酒、ドンペリ仕様の日本酒など、かなり先進的でオモシロイ取り組みをしている県なんです。
本記事であなたの心にビビッとくる「ビバ富山」なお酒を見つけてくださいね!
幻の瀧(まぼろしのたき):皇国晴酒造(みくにはれしゅぞう)

皇国晴酒造はなんと蔵の前が名水百選!歩いていける距離には漁港が。魚と日本酒のマリアージュ(食べ合わせ)を研究するには絶好の場所です。
「岩瀬家の清水」と呼ばれる超軟水を、日本酒の仕込みだけならず蔵やの掃除にまでふんだんに使用しています。
2022年10月からは県内初となる女性杜氏が就任。大学と研究所で日本酒を学んできた実績のある女性です。
来季、これからの富山を形作る新しい一本の完成を県民は心待ちにしています。「これまでも美味しく、これからも美味しくなる!」歴史と期待の詰まった酒蔵です。
地元の黒部市はもちろん、県内全域で愛される「毎日気軽にのんでいただける美味しいお酒」をドンドン製造しています。特におすすめの2本をご紹介します!
純米クラウディサワー
「日本酒ってクサくて」「度数が高いのはムリ」なんて人にグッとおすすめしたい一本です。
本商品は2019年新発売の「甘くてしゅわしゅわ低アルコール」な一本。一般的な日本酒がアルコール度数15度なのに対し、本商品は7度。半分以下で酔いやすい人もたのしめます。
一口飲めば、シャンパンと同じ瓶内二次発酵で生まれたやさしい泡につつまれ、米のふくよかなうまみがひろがります。
愛称は蔵名をもじって「マボタキクラウディ」。魔法みたいでカワイイですよね。マボタキクラウディ~!!
幻の瀧 名水乃蔵 特別純米酒
「おいしいお酒を安価で飲みたい…」わがままな富山県民がこっそり愛飲する一本、それが本商品です。
県内大手スーパー「albis(アルビス)」で手に入る中でもコスパ最強。庶民の味方、皇国晴酒造!
1,500円以下でこのおいしさ、飲むたびに「おいしすぎる」とこぼしてしまいます。
飲み口スッキリ、日本酒独特のツンとした匂いは全くありません。それは蔵が位置する黒部のおいしい軟水のように、スーッと喉をつたっていくおいしさです。
満寿泉(ますいずみ):桝田酒造店

桝田酒造店は富山の先鋭クリエイターです。「えっ酒蔵なのにここまでやる?」そんな取り組みでいつも県民を驚かせます。
- 県内各酒造の逸品を持ち寄って調合「富山ブレンド」として売り出す
- 高級ウイスキーシーバス・リーガルの樽で寝かせた日本酒をつくる
- 酒蔵が位置する岩瀬全体を観光都市に仕上げるべく立ち回る
紹介すればキリがないのですが、とにかくパイオニア精神の強い酒蔵です。そんな桝田酒造店が送り出すラインナップをご紹介しましょう!
満寿泉 Pero
「このラベルかわいー!」という声が聞こえます。カワイイモノ好きの心を射抜くこのラベル、思わずパケ買いするクオリティですよね。
見た目はもちろん、味もピカイチの本商品。商品名の「Pero」は、「ぺろっと飲み干してしまうほどのおいしさ」からきています。特徴は…あまくておいしー!!
富山の日本酒とは!と語る際に必ず持参する一本です。初心者から玄人まで幅広く喜ばれるおいしさですよ。
満寿泉 貴醸酒
「このボトルかっこいい!」という声が聞こえます。イタリアから輸入した瓶に詰められた液体は琥珀色に輝いています。ところで貴醸酒(きじょうしゅ)とは、一体なんぞや?
貴醸酒とは、「仕込み水をお酒にしちゃいました」なぶっ飛び日本酒です。特徴はなんといっても抜群の甘さとコク。バニラアイスにかけて食べるのを推奨するくらい甘いです。
「日本酒は辛口」と豪語する方に飲ませてみましょう。あまりのおいしさに「甘党」に鞍替えするかもしれませんよ。
IWA:株式会社白岩
2020年、富山県民はザワついていました。「富山の日本酒業界にまさかのドンペリ醸造者参戦!」新聞を見た人も信じられず。
ド、ドンペリ?!あのホストクラブで頼む、とっても高級なシャンパンのドンペリを作る人が富山で酒造り?!
そうなんです。富山の散居村に位置する白岩ではフランス有名シャンパンのドン・ペリニョンの元醸造責任者が指揮をとる日本酒「IWA」が醸されています。
IWAには決まったレシピがなく、多種多様な酵母と酒米をブレンドして毎年違った味わいが生まれます。
瓶単位では高価ですが、富山駅前の居酒屋では一杯単位で飲めます。裏技でした。おすすめの2本を紹介しますので、グラス飲みの機会に恵まれた方はぜひ!
アッサンブラージュ3
本商品は2021年度の仕込みレシピで作られました。2021年オリジナルレシピなので、本商品の在庫が無くなり次第飲めなくなってしまいます。
酒米は削れば削るほど透明感ある味わいになります。本商品は驚異の精米歩合35%、つまり酒米の65%を削っています。
特徴は「アッサンブラージュ2(過去作)+遊び」。味の確立に加えた余韻が広がる大人の一本です。
アッサンブラージュ1
本商品は2019年度の仕込みレシピで作られた、記念すべき醸造1本目の商品です。
こちらももちろん、在庫がなくなり次第同じ味わいは二度と出てきません。
以降の作品「アッサンブラージュ2」と「アッサンブラージュ3」との決定的な違いは「全て国内醸造で作られている」点でしょう。これ以降は原酒をフランスで醸造するからです。
最初で最後かもしれない国内醸造、味わってみてはいかがでしょうか。
三笑楽(さんしょうらく):三笑楽酒造

「笑って。楽しく。」蔵名から蔵人、酒の1瓶1瓶にまで満ちわたる活気と笑い。三笑楽酒造は、伝統集落の五箇山に位置する「厳しく育ったおいしいお酒」です。
五箇山は県内有数の豪雪地帯。冬はあまりの積雪に道を閉ざされ、ほぼ孤立状態になります。干し豆腐や動物の乾肉など、試行錯誤で生き抜く人々により三笑楽は醸されます。
特筆すべきは五箇山を雪崩から守る鉄壁のブナ林。このブナ林を通ってでてきた軟水で仕込まれる三笑楽は、山の厳しさと美しさを味わえる逸品となります。おすすめの2本をご紹介します。
三笑楽 備前雄町 山廃純米酒
「雄町」という酒米を耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか。雄町は、名高い酒米である五百万石や山田錦のルーツとなる古代米です。
だからこそ醸せる「骨太の味わい」。精米歩合70%(酒米の3割しか削らない)という酒米のうまみを活かした作りになっています。
ぜひペアリングしたいのが五箇山の特産であるジビエ。クセのあるジビエにも負けない心のある旨味が、あなたを虜にすること間違いありません。
三笑楽 上撰
五箇山民のド定番。「日本酒と言ったらコレだよ!」な一本が本商品です。
五箇山に住む人々に長く愛されぬかれた味わいは、アクの強い山菜や煮物、岩魚との相性がピッタリ。「長く愛されるわけだな」と腑に落ちる味わいです。
蔵のおすすめは「岩魚の骨酒」。骨酒とは、こんがり焼いた岩魚を竹筒にいれ、そのまま熱燗の日本酒を注ぎ入れるもの。
初心者は「魚のクサみが気になる…」となりがちな骨酒ですが、三笑楽だとスッとくさみが消えて旨味が残ります。やっぱり五箇山のお酒とあって、相性抜群なんですね。
曙(あけぼの):高澤酒造場

美しい日の出とピチピチの鮮魚で有名な氷見市に位置する高澤酒造場。
数年前に配合とラベルを一新した「曙(あけぼの)」シリーズで老若男女問わず注目を集めています。
富山を走る「あいの風とやま鉄道」をご存じですか?あいの風とは、海辺で吹くおだやかな風のこと。
高澤酒造場では、蒸した米をまずあいの風にさらし、その芳醇な味わいを作り出します。「氷見ならでは」「沿岸ならでは」な味わいとイケてるラベルが楽しい酒造です。
曙 純米酒
深い茶色の酒瓶に貼られた白くて丸いラベルが印象的な本商品。よくよく見ると、下部分はデコボコしています。
これは氷見沿岸に上る朝日をそのままラベルにしたもの。下のデコボコは水平線の上に並ぶ山々をあらわしています。デザインの勝利ですね。
口に含むと、やわらかな芳醇旨口。くさみは一切なく、氷見の新鮮なお刺身を引き立てつつも負けない絶妙なバランス感のある一本です。
AKEBONOLIGHT アケボノライト
パッケージのニャンに注目!大きなテーブルの上には、まるっと魚が一匹とまるいラベルの日本酒瓶…曙(あけぼの)です。魚はきっと、氷見漁港でかっさらってきたものでしょう。
商品名に「ライト」とある通り、飲み口スッキリさわやかな一本です。透明な瓶に詰められたのも加わり、見た目と味わいの両方に清涼感ある仕上がりになっています。
成政(なりまさ):成政酒造株式会社

富山県の昔の呼び名「越中」の国主であった武士「佐々成政(さっさなりまさ)」の名から蔵名が取られました。県民であれば誰もが知る名将、だからこそ耳心地のいい蔵名です。
氏が地面を槍で一突きして湧き出た「槍の先の水伝説」…なんともロマンがあります。そんな成政酒造は、緑深く清らかな水に恵まれた富山県南砺市に位置します。
県産の酒米を育て、それにより日本酒を醸すことに誰よりも誇りを持っている酒蔵です。
専門の酒米農家と「成政トラスト吟醸の会」たる会員に支えられ、おいしい吟醸酒をつくります。おすすめは以下2本です!
純米吟醸@カップ女子
成攻のおいしい純米吟醸を「さらに多くの人に愛されるように」とラベリングされたのが本商品。5色別に並ぶラベルには、かわいらしい女性がさまざまな表情をうつします。
本商品のポイントは「喜怒哀楽」の5パターンあること。中身はすべて同じ純米吟醸ですが、その日の気分でラベルを選べるのがたのしいですよね。
味は「スッキリさわやか」。後を引かない爽やかさで、嫌なことがあってもキレイサッパリ洗い流してくれそうです。
貴醸酒 成政
でました貴醸酒!はちみつのような色合い、とろりとしたテクスチャー、あふれる甘味…
数ある貴醸酒の中でも、成政のものは「純米酒仕込み」です。米と水だけで作られた純米酒をぜいたくに仕込んで使う。だからこそのおいしさがギュッと詰まった一本です。
375mlという飲み切りサイズも嬉しいですよね。友だちと宅飲みに持参すれば喜ばれそうな一本です。
まとめ
ここまで富山県のおいしい日本酒を紹介してきました。「富山、けっこういいじゃん!」「あの日本酒、気になる!」と感じていただければうれしいです。
豊かな自然と水に恵まれた富山では、数々の酒蔵が活躍しています。
今回紹介した6つの酒蔵はその中のほんの一部。まだまだおいしい日本酒が眠る富山、ぜひ注目してくださいね。
本記事で紹介した日本酒の中でも、特におすすめの3本を振り返りましょう。
- 日本酒初心者でも安心の甘さと低アルコール!皇国晴酒造:純米クラウディサワー
- 黄金色のトロリとした甘味に癒される♡桝田酒造場:満寿泉 貴醸酒
- かわいい猫ラベルでさらやかな一杯を!高澤酒造場:AKEBONOLIGHT アケボノライト
日本酒を選ぶときは、味わいや製法はもちろん、ラベルのかわいさや瓶の形で選ぶのも全然アリ。入り方、飲み方にこだわらずに「これおいしい!」を見つけてくださいね。
この記事を通して、あなたにピッタリなおいしい日本酒と出会えることを願っています。