お酒の知識

お酒に賞味期限とは | 期限のあるお酒とないお酒の違いと理由を徹底解説

お酒にはさまざまな種類がありますが、その中には賞味期限があるものとないものがあります。

今回は賞味期限の有無でお酒を分類し、賞味期限があるお酒については、保存可能な期間をご紹介します。また賞味期限がないお酒に関しては、保存のポイントや期限がない理由について解説します。

賞味期限があるお酒

お酒の賞味期限を説明するときの条件は、未開封であることです。開封後はできるだけ早く飲み切るのが基本です。

賞味期限があるお酒の種類

お酒は製造方法の違いによって醸造酒と蒸留酒に分けられ、賞味期限が記載されているのは醸造酒です。その理由は、醸造酒は蒸留酒と比べて糖分が高く、アルコール度数が低いためです。この条件では、長期保存に向かないことがわかっています。

醸造酒に該当するお酒には、ビール・ワイン・日本酒があります。ビールには、今人気の発泡酒やクラフトビールも含まれます。また、さまざまな味が楽しめるチューハイにも賞味期限が記載されています。

お酒の賞味期限はどのくらい?

ここでは、ビール・ワイン・日本酒・チューハイの賞味期限の長さについてご紹介します。メーカーによって賞味期限が異なることもあるため、ここで示してあるのは平均的な期限です。

ビール・発泡酒

発泡酒を含むビールの賞味期限は、製造年月から約9ヵ月です。メーカーが異なっても、この期限は変わりません。ビールの賞味期限は、缶の底に記載されています。

ワイン

じつはワインには賞味期限がありません。ただ、スーパーなどで比較的安く買えるワインは熟成タイプではないため、賞味期限があると思った方がよいでしょう。飲み切る目安は赤ワインで約2〜3年、白ワインでは約1〜2年と言われています。

日本酒

日本酒にもワインと同様、賞味期限がありません。ただし、日本酒にはおいしく飲める期間があります。これを賞味期限と考えた場合、製造年月から約1年間が飲み頃と言えるでしょう。

チューハイ

チューハイにはビールと同様、缶の底に賞味期限が記載されています。その期限は約1年ですが、チューハイに入っている果汁の種類によって劣化が早いこともあります。

賞味期限がないお酒

ここでは、賞味期限が設定されてない蒸留酒についてご紹介します。

賞味期限がないお酒の種類

ここで解説するのは、焼酎・ウイスキー・ブランデーの3種類です。

焼酎

焼酎は、穀物に含まれるでんぷん質をアルコール発酵したものを蒸留して作られます。ときどき焼酎のラベルに日付が書いてあることがありますが、これは瓶詰めした日です。賞味期限ではないため間違えないようにしましょう。

ウイスキー

ウイスキーの原料はとうもろこし・大麦・ライ麦で、蒸留後は木樽に入れて熟成させます。ウイスキーは保存状態が良ければ、開封後も長期保存が可能です。保存時に避けるべき条件は、直射日光・温度変化・空気との接触です。

ブランデー

ブランデーは果実酒を蒸留して、オーク材の樽の中で長期熟成して作られます。ただ、一度開封すると酸化が起こり、味の劣化が始まります。これを防ぐためには、パラフィルムなどでしっかりと密閉することです。

賞味期限がない理由は?

最後に、蒸留酒に賞味期限がない理由についてご紹介します。カギを握るのは、糖分とアルコール度数です。

糖分ゼロだから

糖分は、細菌が増殖するときに必要な条件の1つです。そして、蒸留酒には糖分が含まれていません。原材料が穀物であるにもかかわらず糖分ゼロになる理由は、蒸留酒が作られる過程で糖分が取り除かれるためです。蒸留という工程により、細菌が増える条件がなくなります。

高いアルコール度数

蒸留酒のアルコール度数はとても高いことで知られています。例えば、ビールのアルコール度数は5%程度ですが、焼酎は25度・ウイスキーは40〜43度・ブランデーは40〜45度とビールの5倍以上の度数があるのは明らかです。10度以上のアルコール度数では、細菌は生存できないと言われています。

まとめ

賞味期限があるお酒はビールやチューハイなどの醸造酒に多く、蒸留酒には賞味期限がないことがわかりました。賞味期限の有無を決める条件には、「糖質が少ないこと」「アルコール度数が高いこと」が挙げられます。焼酎・ウイスキー・ブランデーなどの蒸留酒は、どちらの条件も満たしているため、細菌が繁殖しづらく長期保存が可能です。

賞味期限の有無にかかわらず、それぞれのアルコールには適切な保存方法があります。それをしっかり守ることでお酒の質を保てます。

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